Antipyretic

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華アワセ 蛟編

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嫉妬や執着心を描くウェットな内容に反して作りはあくまでも合理的な乙女ゲー。濃密な物語、魅力的なキャラクタ、豪華な声優陣、煌びやかな絵、中毒性のある華うつし、限界突破で流れ出すキャラソンと乙女ゲーの受ける要素を綺麗に切り取って作られているので無駄がなく、それは数多くの女性向けゲームを作ってきた由良氏じゃなきゃ出来なかったのだと思う。職人技。そしてコスパもいい。最強。

特色としてはムックにゲームをつける形にしたことでレーティングの存在しない書籍扱いになっている点で、その盲点を突くかのよーに荒々しくて際どい台詞や行為も入る。けど最後までやることは今後もあまりないんじゃないか。というのもこの作品は主人公が処女を失うと主人公でいられない設定になっていて、そうなると『華アワセ』の物語が終わってしまうから軽率にセックスシーンを入れることが出来ない。BAD ED なら強姦シーンは入るかもしれないし実際あったけど、それは匂わせる程度で肝心の描写はない。しかし厄介なのがみことの放つ誘い水の設定で、これに周りの男は煽られる。だから際どいシーンがどうしても入る。でもみことの処女は失われてはならない。「煽られるのに最後までは出来なくて悶える攻略対象」を眺めることが出来る仕組みと設定なんだな、と気づいた時はちょっと笑った。というわけでギリギリのエロスを堪能することが出来る。コンシューマ作品のエロ描写は「全年齢なら入れるな」とは思わないし、むしろ必要なら可能な範囲で入れるべきだと思うけど、ないならないで特に気にならないというかぶっちゃけあまり興味がないんだけど、書籍扱いで年齢制限はないし『華アワセ』のギリギリのエロスは作品世界ともマッチしていたためか好意的に受け止められた。

もうひとつは『蛟編』とあるように結ばれるのは蛟とだけで、他のキャラクタのルートに入るとその相手とは結ばれない BAD ED 的な扱いになっている点。だから蛟以外の報われないキャラクタと結ばれる結末を見たいと思うようになるし、設定も小出しにされて気になるしで今後出る続編への上手い宣伝になっているのが上手いなー。BAD ED も手抜きなく作られており、出来がどれもこれも秀逸だった。逆にハッピーエンドに到達する蛟ルートは王道すぎて私にはあまり印象に残らなかったが、蛟ルートが王道だったからこそ他のルートの BAD ED が輝いたのかなとも思う。

欠点は周回プレイが面倒な点、選択肢が見づらい点くらいでしょーか。ステータスを引き継げるのはありがたいんだけど、そのためだけにもう一度最初からやり直すのはスキップがそれほど早くないこともあって結構面倒なんだよなあ……。

でもこれらの不満は瑣末なことで、他に魅力的な要素が多いからあまり気にならない。プレイ中は本当に夢中になったし、これほどハマった女性向けゲームは久しぶりだった。花札をモチーフにした狭い箱庭の中の世界と厨二、華うつしの楽しさ、濃厚なキャラとシナリオと官能、由良氏の独特の絵柄がすべて上手い具合に調和していた名作。

みこと

『蛟編』だけあって、みことは最初から最後まで蛟だけを意識して蛟だけを想い続ける。他の男子に告白されても曖昧な態度は取らず、きっぱり断るのも好印象。ただし乙女ゲー主人公が持つ鈍さは持ち合わせている。一言で言うなら一途で鈍感。そんなみことがヒロインだったからこそ蛟ルートではハッピーエンドに到達し、それ以外は悲劇を招くことになる。ただ一途な印象を与えるのは販売形態によるところも大きいし、鈍感なのも蛟しか攻略できず、蛟に一途だからこそ他の男の想いに気付けなかったんだろうなと。

巨乳がやけに強調されていたのは笑った。実際おっぱいは大きかった。そりゃ唐紅も揉みたくなるわな。だからといって揉んでいいことにはならんけど。

いろは (CV:寺島拓篤)

人の感情を否定しようとするいろはへの印象は、機械と言うよりは何も知らない赤子や動物。落ち込んだみことに食べ物を口に突っ込んだり甘いものをもらって喜ぶいろはを見ていると、とても機械やロボットのような子だとは思えなかった。でも他人どころか自分の感情すら理解出来ないほど幼い彼だからこそ、彼なりの「食べ物」という原始的な形での感情の発露に至ったのかなと思うとたまらなかった。マカロンもクッキーも金平糖もマシュマロもりんごチップスも、どれもこれもが可愛らしく切なかった。特にりんごチップスはみことが自分のためだけに作ってくれたのだと思い、顔には出さないけど相当に嬉しかったはずで、なのにその後蛟と姫空木にもりんごチップスをあげてしまうみことの無邪気な優しさが残酷で、いろはが自分の気持ちを理解出来ていない分だけ見ている私が辛かった。そんな苦い思い出のあるりんごチップスを、それでもいろはがちょっとずつ食べていたことがわかるラストシーンはもう泣けた。いつも一気に完食してしまういろはが、みことの作ってくれたりんごチップスだけは大切に食べたかったんだろう。なのにいろはは蛟に指摘されるまで自分の気持ちに気付けなかった。それを思うと更に切ない。

もう一ついろはの気持ちが如実に出るのが嫉妬。いろはにとっての「粛清」は、五光としての仕事を全うするという大義名分のもとに「みことを奪おうとする男を殺せる」ことになりがちで、特にいろはルート後半はもうそんな感じだった。何度も「粛清」「粛清」と連呼していたのも、いろはが大義名分に縋るしか術がない状態にまで追い込まれていることがわかるから切ない。それがわかりやすく出ていたのが蛟への拷問で、五斗との繋がりを糾弾するはずが、いつの間にかみことへの気持ちを諦めろという話にシフトして行くのがもう……。ここでいろはの気持ちに気付きつつも自分の気持ちを偽れない蛟は格好良かったけど、そんな蛟に打ちのめされても自分の気持ちが理解出来ず、より一層蛟に暴力を振るうことしか出来ないいろはも遣る瀬無かった。抑圧を強いられていた蛟と、無自覚で抑圧しているいろはの対比が効くいいシーン。

そしていろはが最初に自分で予告していた通り、物語は破滅へと向かって行く。あの夥しい数の蝶を引き寄せてしまうほどに堕ちたいろはは、しかし自分の異常に気付けない。感情が理解出来ないからこそいろはの中のドロドロした感情が渦巻いていくのに、感情が理解出来ないからこそ気付けない皮肉。他のルートではみことが相手の気持ちに気付けず破滅へと向かってしまったが、いろはルートはみことだけではなくいろはも気付けなかったからこそ到達してしまった哀しい結末。これがもう美味だった。いろはがうつろひに憑かれていることを指摘したのは姫空木だったが、これは一歩間違えたら姫空木がいろはの立場になっていたからなんだろう。そしていろはに「想う心は許されます。自分も、いろは様も」と真摯な言葉を投げる蛟にもぐっと来た。そして姫空木のルートではボロボロだったこの二人の友情を感じ取れたのも嬉しい。しかしいろはは自殺する。感情と涙を否定していたいろはが、ここでようやく泣けたまま死んでしまったのかと思うと良かったのか哀しいのか。

このいろはルートが一番好きなんだけど、特に終盤の蝶との戦いが始まってからいろはが身を投げて絶命するまでの展開が秀逸で気に入っている。登場人物の動きや台詞のどれもこれもが孤独なまま悲劇へと向かって行くいろはの哀しい物語に華を添えているようで、なんというか悪魔的な美しさが感じられてぞわりとした。特にあのいろはの嫉妬が、夥しい数の蝶によって表現されているのが素晴らしかった。

そしていろはルートは、みことも他のルートとは違う変化が起きているのが面白かった。他のルート(というか特に姫空木のルート)ではみことは蛟一筋だったけど、いろはルートではいろはが自分を泉姫候補としか見てくれないことに苛立つ場面がある。これはいろはにみことが一定以上の興味を持っていないと湧き上がらない感情で、それが印象に残っていたからいろはルートのみことは蛟に一途だという印象があまりない。

ツキの半身についてはまだ情報が少なすぎるのでなんとも言えないけど、もしかしたらいろはの感情そのもの? だとしたらいろはは抑圧しているキャラクタというよりは、抑圧する術を知らないキャラクタということになるんかな。いろはも最初から自分が報われないことを知っているようだし、それでもみことが泣いていることに耐えられずに近づいてしまったのだと思うともう……。そして今後も「他の男と結ばれるみこと」をそばでいろはは見続けなきゃならないんだろうか。

蛟 (CV:福山潤)

第一印象ではトップに君臨する俺様だと思っていたら違った。ミズチの血の呪いを中心として普段から「掟」を遵守すべく抑圧を余儀なくされており、常に冷静であろうとしている男だった。そんな真面目な蛟がみことに惹かれ、彼女に煽られたりラッキースケベ的なイベントが起きて暴走してしまいがちなのが可愛かったなあ。図書館での暴走はコインの仕業によるものなので除外するとして、暴走した熱を静めるために「10分間、決して入って来ないように!」と必死に頼んだりみことと一緒に寝る時は「少し……角度を……変えている」と妙な気づかいを見せてくれたりと、真面目な蛟でないと出て来ない名言がポンポン飛び出すもんだから吹いた。シナリオは王道だし蛟は真面目すぎてこれといった強力な武器がないように感じられ、あまり気分が乗らない状態のまま蛟ルートをやってたんだけど、童貞らしさが発揮されてからは一気に好きになれた。これはいい童貞キャラクタですよ。輝いていた。そして頑張っていた。よく我慢した。

ただ、花伐の時に穢れてしまったみことを清めるためにみことの足を舐めるシーンは違和感が先に立ったなあ。「エロシーン」としてそういう行為を取り入れるのならともかく、全年齢のゲームにありがちな「舐める」シーンが元々あまり好きじゃなかったせいもあるし、舐める理由もシーンへの入り方も唐突でポカーンだった。

ミズチの血の呪いについては王道すぎて特に書くこともないが、とりあえず眼帯キャラのお約束として疼く目を押さえながら身悶えてくれたので満足した。瞳に月を持たぬ蛟のために、望月を持つみことが片目の月をひとつ蛟に与え、二人が揃って初めて一人前の泉姫となる結末に持っていけたのも良かったんじゃないでしょーか。そんな中で些細なことながらも一つ気になったのは、みことが唐紅から預かった蛟の薬をすぐに渡さない場面。物語の都合上仕方がない面もあるんだろうが、落とし物ってだいたいすぐに返さない主人公多いのでいつもそれが気になってしまうのよな。何かが起きてから気付くケースも多いから尚更いつもそれをじれったく想うことが多く、特に今回は落し物が薬という大事なものなんだから、蛟に渡すことを躊躇うみことに苛立ってしまった。

ところで蛟といえば鴻鵠組の委員長がかわいらしかった。モブのミーハーな女子キャラはアタマの悪い女子として描かれることも多いが、彼女はミーハーな部分が魅力的。嫉妬してみことを攻撃してくる葵さんも、あれほど強く思っていた蛟への想いが報われなかったんだから気の毒としか……。みことに酷いことを言うこともあったけどあれはミズチの血の呪いの影響もあったんだろうし、結局嫌いにはなれなかったなあ。

唐紅 (CV:日野聡)

無意識下で抑圧していたいろは、抑圧を強いられていた蛟、抑圧して生きてきた姫空木とは違い、唐紅は抑圧がない……ように見えて彼もどっかで抑圧している面があるよーな。自由奔放に生きているようでちゃんと線引きはできているので、抑圧はあるものの上手く付き合えている印象。みことに絡んだ理由は結局わからないままだったけど、その辺も関係してるんだろーか。そしてみことに会えば「ヤりたい」「ヤらせろ」ばっか言う唐紅が一番健全な精神を持っていた、てのはお約束だけど、それでもうだうだしたみことに鋭く切り込んでくれる場面が多かったので惚れた。なんというか、時々華麗に美味しいところを掻っ攫って行く場面があるのが憎いなあ唐紅。あとしょっちゅうみことを襲うけど、そのたびに全身で拒絶しようとするみことが枯渇を起こしてしまってやるにやれない状況になってしまうのはちょっと笑った。くれなゐ様が気絶している女を犯すことに楽しみを見出す男じゃなくてたいへんよろしゅうございました。

そんな唐紅がみことのパートナーになってしまったので蛟も気が気じゃなく、だんだんおかしくなっていく。いろはルートと姫空木ルートではみことの選んだパートナーがおかしくなって行くが、唐紅ルートは蛟がおかしくなっていく展開になっている。しかし蛟のキレ方が「あの男の触れたところを自分が消毒してやる!」系でちょっと懐かしくなった。最近あまり見なかったもんなこういうの。血の呪いといい目のことといい蛟はどうも王道厨二担当らしい。ただミズチの血の呪いに負けたらどうなるかは見てみたいと思っていたので、唐紅ルートで自分から呪いを受け入れる蛟が見られたのは美味しかった。いろはや姫空木とは違って蛟には「血の呪い」という外的要因があるので、単にそれを理由にした狂い方になったら面白くなさそうだなとも思ってたんだけど、そこは唐紅が「てめえの本性を、一族なんかの言い訳にすんじゃねえよ」と糾弾してくれたし、何より蛟が「自らミズチの血の呪い」を受け入れるシーンが入っていたので満足した。

結末はどっちもいいけど、みことが蛟につく展開のほうが気に入っている。唐紅を慕っている桜花組の水妹が健気で泣けた。唐紅が水妹を侍らせているのは女好きだからというのもあるが、それ以上に「自分の力が強すぎて水妹一人では耐えられないから複数の水妹が必要になる」という理由があるからで、更に一見水妹を物のように扱っているようでそうでもないことがこの結末からも伝わってきてぐっと来た。みことが蛟を刺す ED も、一瞬だけ正気に戻った蛟との語らいを遮るかのように引導を渡したいろはの気持ちの真意がどこにあったのかな、とか考えると止まらなくなる。

唐紅ルートの蛟は暴走したが、蛟ルートの蛟よりもこちらの蛟のほうが魅力的に見えた。かといってそれで唐紅が蛟に存在感を食われたということもなく、ちゃんと唐紅の魅力も十分に伝わって来て、そのバランスがまた良かった。最初は印象薄かったもんな唐紅。ノーマークだったのにまさかこんなに可愛らしい男だとは思わなかった。他のキャラクタは変に大人でいようとして歪みまくっているところがあるので、少年らしさを残したままの唐紅を見ているとなんかこう乙女心を擽られるというか。特にみことに悪戯をして破顔するシーンとかちょっとときめきましたよ私。

姫空木 (CV:立花慎之介)

姫ポジションにいる美青年、なんだけど私には王子のほうがしっくり来るんだよなあ。ビジュアルもそうだし、誰にでも分け隔てなく接する様ははみんなの憧れの王子様といっても通用するんじゃないか。しかし姫空木のルートは姫ポジションにいる彼の葛藤を描いていく物語であり、これについてはここで言い出しても始まらないのでとりあえず終了。

姫空木は人当たりのいいお姫様を演じているから、普段から抑圧はされてはいるけど慣れていたんだろう。慣れるしかなかったとも言える。でもみことに惹かれてからは蛟やいろは同様、紳士たろうとしている彼ですら抑圧が難しくなっていく。そもそもみことが新たなパートナーとして姫空木を選んだのは消去法というシンプルかつ残酷な理由があるからで、しかしその事実に気付きつつも納得して受け入れる姫空木が痛々しかった。

姫空木がみことを深夜という非常識な時間に呼び出すシーンは姫空木らしくないなと思いつつ、選択肢が来るだろうと構えてたのにあっさり断るみことに吹いた。しかしそれでもしつこく食い下がって来る姫空木に今度は私の背中が一気に寒くなった。結局気になってみことは行くんだけど、案の定何時間も待っていたと言うんだから恐ろしい。なんつー傍迷惑な男だ。とはいえ彼も必死で、みことが蛟に惹かれているのを知りつつもみこととの特別な繋がりが欲しかったんだろう。みことが姫空木を公園に連れて来た時も、「この景色、蛟と一緒に見たことある?」とわざわざ聞いて来るあたりがもう……。ここでみことが否と言うと、珍しく無邪気に喜ぶ姫空木が哀れ過ぎて見ているこっちが辛い。本来なら和めるシーンになったかもしれないのに、読者はみことと蛟の間に姫空木が入り込める隙なんてないと知っているんだから。姫空木もそれはわかっているのに、それでも小さな「特別」を求めてしまう。姫空木ルートは読者の罪悪感をいやらしく刺激しようとしている展開で、でもこのキツさがとてもいい。他の乙女ゲーではなかなか堪能出来ない味。

そして物語は悲劇へと転がり落ちて行く。眠っている蛟に告白して一人で満足しているみことの背後から、みことに送った携帯メールの内容に被らせるように「…どうして?」と言いながら姫空木が現れるシーンは震えた。そして拉致ったみことにドレスを着せて人形状態にしたままキスをして仮初の恋人関係を楽しむが、姫空木の能力はみことから意識を奪っているらしいのでどんなにキスをしてもみことが目覚めることはない。姫空木は「眠り続けるお姫様にキスをして目覚めさせる王子様」になりたかったはずなのに、自分のキスでは目覚めないことを知っている。みことを攫った時も「たったひとりのお姫様に、毎日キスをする王子様」になりたいとは言うが、「キスでお姫様を目覚めさせる王子様」になりたいとは言っていないのが哀しい。そして姫空木の罪は露見するが、ここで蛟が眠り続けたままのみことにキスをして目覚めさせる展開が入る皮肉がたまらない。こうやって姫空木のいない場面でも姫空木を限界までグリグリ抉ろうとするのがいい。

そして姫空木にとっての「みこととの特別な場所」である公園に「蛟とともに」みことが来てしまったことで、更に姫空木は絶望を与えられる。ここで姫空木の携帯電話を手にしたみことに姫空木が「………なんで?」と呟くんだけど、みことを拉致した時の「…どうして?」の状況と上手くリンクさせてあるのが素晴らしかった。姫空木との戦いの後のやり取りも切なかったなあ。そうして哀れな最期を迎えた姫空木を間に挟んだことで、互いに惹かれ合っていたのにみことと蛟の関係が遠くなるのがもう遣る瀬無いというかなんというか……。でもこの遣る瀬無さは好きだな。もう一つの姫空木がみことを独占する結末も嫌いじゃないけど、ありがちな結末だったので蛟と公園に行く展開のほうが気に入っている。唐紅が姫空木の水妹たちのために、月光組の水妹たちが姫空木を思って作った弁当をこっそり持っていくエピソードもぐっと来るじゃないですか。こういうところが本当にさり気なくて、やっぱり好きなキャラクタだなくれなゐ様。

『姫空木編』のリリースが決まっているせいか、いろはを除いて一番伏線が投下されていたのが姫空木だった。姫ポジションに甘んじている理由、旅行に行っているらしい花神の存在、姫空木が何度か口にしている宿命、拉致後のみことをあんな状態に出来た能力の正体あたりかな。今から楽しみでしょーがない。

百歳 (CV:水島大宙)

なにゆえ中の人が大宙? 最初は男の娘かと疑ったこともあったけど、水妹をやっているくらいだから正真正銘の女の子なんだろうなあ。ハッキリした性格なのにふわふわしてて強くて可愛くて、いろはとのやりとりも手のかかる弟としっかり者のお姉ちゃんみたいで微笑ましいし好きになれたキャラクタではあるんだけど、何故そこまでみことを好いてくれるのかが全然見えない。みことが蛟に惹かれていくことを喜んで応援しつつも、友情を超えた寂しさを見せて来ることもあるので、恐らくただの女の子ではないんだろうけど。蛟ルートのエピローグで嫉妬している男の話をしていたが、あれはいろはや姫空木、唐紅のことだけではなく百歳自身のことも含まれていたのではないか。

ところでいろはは何故百歳にだけは敬語なんですか?

斧定九郎 (CV:黒田崇矢)

いい加減な教師に見えるけど、五斗の正体を知っている気配があるしむしろ五斗の正体はうつつと思わせて実はサダクロー、てな可能性も捨てきれない。いろはの事情やループしていることにも気付いてるっぽいし、何やら色々ありそうなのが気になる。

阿波花 (CV:豊永利行) & 金時花 (CV:豊永利行)

蝶を追いかけたり双子の入れ替わりで悪戯をしたりたいへんな時なのに月見会を開催したがったりと、案外可愛い人たちだった。中の人の演技も素晴らしい。そしてみことに泉姫の因果の歯車の話をしていたから、理事長もサダクロー同様ループに気づいている?

コイン (CV:鳥海浩輔)

喋り方の似ているどっかの水銀ニートを思い出して懐かしくなりました。

コインは思っていたよりはずっと小物だったなあ。出番も少ないし影が薄い。立ち絵で顔を手でほぼ覆っていたので素顔がよく見えなかったのも残念。