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百花百狼 ~戦国忍法帖~

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一言で表するなら、コンパクトに纏まっている優等生な乙女ゲー。

展開は面白いしプロットが好みなルートもあったけど、描写が淡々としているから数日後には内容を忘れそう。そうした作風が作品の武器に繋がることもあるし『百花百狼』も敢えてこういう作品として舵を取っているんだと思うが、「この世でいちばん哀しい戦いが始まる」というキャッチコピーとは?み合っていない。正直、茶番じみた空気もあった。まあ実際茶番なんだけど、茶番の残酷さを演出するならみっちり描いてくれたほうが物語にも奥行きが出てきちんと盛り上がったんじゃないかな。

序盤は任務のために仲間と京に向かうんだけど、遊びに来ているわけじゃないのに遠足気分で大丈夫なのかと不安になったり(初任務だった槐は緊張しているせいか大人しくしていたのが良かった)、料理があまり出来ないお嬢様が女中として潜入するのは大丈夫なのかと不安になったり、疑心暗鬼に陥っている人間に確かな身元を証明するのに蝶治郎の詳細不明な紹介状だけで大丈夫なのかと不安になったり、忍びを信用していない玄以の信頼を得るためにも証拠になる予告状が必要なのに予告状の写しだけで大丈夫かなのかと不安になったりもしたけど、まあ大丈夫だった。ここらへんは結構ガバガバで笑った。でもこの序盤の軽い空気は後半で落として落差を演出するためなんだろうと察しはつくし案の定だったけど、あまり効いてない気が……。何しろ中盤以降も淡々と描写されるから劇的になってくれない。更に驚きの展開も殆どなく先が読めるので、カタルシスもあまりない。だから短いシナリオなのになんかこー単調で、ちょっとダレたところもある。

それでもフルコンプ出来たのはいいところもあったからで、まずキャラクタが良かった。特に半蔵と家康が魅力的。蝶治郎と五右衛門もいいなあ。蝶治郎、半蔵、五右衛門が並ぶとテンションが上がった。正直、槐と各攻略対象の恋愛よりこの年長三人組と家康の過去話が読みたかったくらいだ。それと文章が読みやすい。でもこの読みやすさが話の呆気なさにも繋がっているところもありそう。

特筆すべきは立ち絵。差分枚数が潤沢で、戦闘シーンでも演出に気合が入っていた。たまにシュールな構図になる時があるのもご愛敬。目パチ口パクも標準装備だけど、これは私にはいらなかったなあ。それと槐の立ち絵が表示される時もあるが、他の乙女ゲーをやっている時とプレイ感覚は変わらなかった。主人公の立ち絵があってもなくても然程違いを感じない。もっと「主人公の立ち絵があるのは最高だなウヒョー!」的なテンションになると思ってたんだけどな。重要な告白が交わされる場面や甘いシーンでは槐は立ち絵がなくフェイスウィンドウのみで、攻略対象が画面に向かって会話が展開していくという従来の乙女ゲー仕様だからだろうけど、どうせならそこも立ち絵で徹底して欲しかった。

音楽は良かった。サントラ欲しいな。それと『百花百狼』は低音が多く、聞いていて心地良かった。ツダケンは元より低音が多いけど、特に鳥海氏やグリリバはいつもより低音で素晴らしい。演技は言うまでもなくド安定。サブキャラクタも豪華な配役で驚いた。

システムはバックログから遡れないのが不便。それと選択肢を全部選ばないと回想が埋まらない仕様で、私は基本的に回想をあまり見返すことがないから気になるほどでもなかったけど、それでもちょーっと厄介なシステムではある。ただそれぞれの選択肢を選んだ時の展開差分は濃い。だいたい選択肢は二つなのでパターンも二つしかないが、その内容が二言三言で終わらない。この辺りは丁寧に作ってあるなあ。

良くも悪くも優等生な作りで、私の性癖を突いてきそうなポテンシャルを感じさせつつもそれは十全に発揮されないまま終わったけど、キャラクタは良かったしなんだかんだで楽しかった。私が好きなのは即退学になるレベルの問題児な作品なのでこうも優等生だと物足りなさは残るが、半額セールで買ったことを思えばちょうどいい塩梅だったかなと。

上野槐

守られていることが殆どで殺生も避けようとするが、里ではお姫様扱いだったし忍びとしての覚悟が足りないことは最初に言及されている。更に初任務で散々な目に遭うので、むしろ槐に向ける私の目は同情的だった。好きな主人公でもないけど嫌いでもない。これといった個性も有しておらず、スタンダードな主人公なのでどちらにも振り切れず印象は薄い。立ち絵があるんだからもーちょい個性をつけても良かった気はする。

ところで勘道とは血は繋がってないんじゃないかと序盤から予想していたら、ガチの実父らしくてそれが一番予想外で面白かった。こういうケースは「本当は優しい実父がいる」という救いが用意されていることが殆どだしなー。でも勘道の判断は、里のことを第一に考える長としては合理的で妥当とも言える。父親としてみればクズだけども。

月下丸 (CV:羽多野渉)

月下丸は過保護なところが面白いし好きなキャラクタだけど、一番最初に攻略した時はピンと来なかったなあ。主従は大好きだけど、月下丸はメインヒーロー然としたビジュアルであまり従者という感じもなく主従的な美味しさを見出せなかった。「従者」というよりも「過保護な幼馴染み」と言われたほうがしっくりくる。それでも他のルートを攻略していくごとに好きになっていったけど、彼は自分以外のルートの方が輝いていたよーな。どのルートでも槐を助けることに一切躊躇いがない。彼なら絶対に槐を裏切らないんだろうな、という安心感がある。だからこそ蝶治郎ルートでは、使命と槐への想いの狭間でグラグラ揺れる蝶治郎との対比にもなっていたんじゃないでしょーか。

肝心の本人のルートはあまり印象に残っていない。王道というより単調。仲間が大量に死んでいくけど余韻がない。殺し合って墓作って次に行く、という展開がルーチンワークと化すのと先の展開が読めてしまうのとでダレてしまう。真相も序盤でわかってしまったので、茶番だと知った上で同じ展開を読ませられるのが退屈に感じる原因になった。良かったのは『百花百狼』というタイトルの回収と、中盤で槐が死のうとする場面。ここで槐に喝を入れたのが月下丸ではなく半蔵だったのは月下丸が槐を全肯定してしまう存在だからで、でもそんな月下丸だからこそ槐に生きる意味を与えたのが良かった。でもぶっちゃけこのルートは月下丸より黒雪が気になってたなあ。一周目にプレイしたこともあって絶対に裏切るだろうと思っていた。後で申し訳なくなった。この兄弟は槐に対して一途でブレないところが似ていて、そんなところもいいっすね。

ちなみに月下丸に関連するシーンで好きなのは、半蔵ルート終盤の別れの場面と五右衛門ルートでみんなと食事をしている時のあれやこれやと世話を焼く場面かな。

黒雪 (CV:下野紘)

一番面白かったのが黒雪ルートで、でもシナリオがいいというよりはプロットが好き、てのが正しい。それでもハッとさせられた台詞やシーンは多かった。あと黒雪の目から炎が燃える術が出てきたり必殺技を叫んだりと、忍者っつーか厨二っぽいノリがあってそこも結構楽しんだ。具留具留の術も……うん、まあ、あれはあれでいいんじゃないですか。

秀吉殺害の罪で捕らえられた槐を助けに来て「味方はもう俺しかいない」「里のみんなは追忍だから信用してはいけない」と言い出す時、まるで槐に刷り込ませるかのような必死さを感じたのでこれはもしかして、と思ったら案の定で、この展開は好みだった。八年も離れていたこと、兄への嫉妬と劣等感、文字通り「槐のことしか残っていない」という黒雪の記憶、冤罪を着せられた槐の状況、それらが蓄積されてしまった末の黒雪の暗い執着と、それにまんまと縋ってしまう槐の依存はたまらないものがあった。閉じた世界を求めてしまう黒雪はヤンデレというよりは子供かな。拗ねてる時のへの字の口がすごく可愛いんだけど、あれも子供っぽい表情でぐっと来た。だから槐と黒雪の危うい逃避行は見ていてゾクゾクしたし面白かったんだけど、ただ槐が黒雪との過去の思い出話ばっかするのはしつこい。何度「またかよ」と突っ込んだのか。黒雪の設定的に過去を振り返らざるを得ないのは理解できるんだけど、もーちょいスマートにやって欲しかった。

それでも槐と黒雪が互いに抱く想いが恋なのか依存なのか、という問題提起はかなり面白かった。これがあったからこそ黒雪ルートが一番面白かったのだと言えてしまうくらい。指摘してくれるのが槐の友達である伽羅だったのも良かったし、黒雪の答えもいい。

「依存? そこにおまえしかいなかったから? だから恋じゃない、好きとは違うって言うの?」

「じゃあどうすれば好きって言っていいんだよ。普通に出会って普通に過ごして、数ある中から選ばなきゃ好きって言っちゃいけないの?」

「じゃあこれは何だよ。四六時中おまえのことが頭に浮かんでおまえのことばかり考えちゃって」

「おまえを思うだけで、胸が裂けるように痛くて、一緒にいたいのに、いないのが悲しくて」

「どうしようもなく涙が出るんだ……」

「これは何なんだよ。これは恋じゃないの?」

「だったらオレは恋なんていらないよ」

槐も黒雪と同じ思いを抱いていて、これは恋ではなく依存かもしれないけど同じ思いであればそれは両想いなんだ、って結論に到達するのがツボ。それこそ子供じみた思考回路かもしれないけどその分純粋かつ真っ直ぐで、『百花百狼』で一番好きなシーンになった。私としては依存でも恋でもどっちでも美味しい。そして前半は二人きりでべったりだった分、後半に槐が黒雪から一旦離されてそれでも黒雪を助けようと自分の意志で動くのは良かった――と思っていたのにあっさり再会した時はズコーてなったな正直!

と好きな要素の多いルートだったけど、描写が淡泊なので盛り上がり切れなかったところもある。あと一歩が足りない。ポテンシャルは秘めていただけにもったいないなあ。

それでも黒幕の正体はわかったものの勘道の動機は読めなかったので、そういう意味での面白さもちゃんとあった。手段はともかく忍びの存続のために戦乱の世に戻そうとする、という動機自体は説得力もあったし普通にありそう。

百地蝶治郎 (CV:鳥海浩輔)

いきなり未熟な槐を勘道に推薦するところから始まるので、これには何か裏があるんだろうなあと疑っていたら実は何もなかった。本当に弟子の成長を認めて好意で推薦していただけだったらしい。まじっすか! 疑ってすみませんでした。

蝶治郎ルートは他のルートとは違い、牢に入れられた槐を蝶治郎が颯爽と助けに来ることもなく、逃避行でも道中一緒にいるのが月下丸や五右衛門だったのが面白かった。蝶治郎は任務に忠実であろうとする忍びで、そこが崩れたら嫌だなーと思っていたからこれには安堵した。でもそのせいで前半は蝶治郎はその場にいないのに選択肢次第では蝶治郎の好感度が上がる、という現象が起きていたのは笑ったけど(この現象は『プリアサ』のトリスタンルート以来だった)。だから蝶治郎ルートは槐視点と蝶治郎視点が交互に入り、蝶治郎のモノローグが多い。内容的には月下丸の裏ルートでもあるのかな。

蝶治郎は伊賀出身で伊賀攻めの恐ろしさを知っているから使命に忠実であろうとする気持ちが強く、だからこそ槐への想いで揺れる。忍びの物語としては王道な展開で、そんな蝶治郎を槐が包んでいく。仲間をすべて失い、最後には槐まで失いそうになったところでようやく蝶治郎が本音を自覚する場面も王道かな。ただ、蝶治郎のこの葛藤云々はなあなあで終わってしまった印象が。最後も根本的な解決には至っておらず、秀吉は追悼命令を出すだろうし里も滅んでしまいそう。それと戦闘中、槐が仲間の殺し合いを見ているだけなのもちょっとなあ……。戦えとは言わないからせめて逃げるなりなんなりしましょうよ。他のルートじゃ出来ていたじゃないですか。蝶治郎のキャラクタも蝶治郎ルートの展開も好みのはずなんだけど、いまひとつ雑で盛り上がれなかった。

まあそれはそれとして、攻略対象が主人公を殺しに来るとゆー展開は好きなのでそこは美味しかった。クラウドが持ってそーな大剣ではなく自分の手で絞め殺そうとするあたりからも蝶治郎の独占欲を感じさせて好きだな。でも「唇を、寄越しなさい」は吹いた。

蝶治郎関連で一番印象に残っているのは、五右衛門のボーナスシナリオの幼い蝶治郎のエピソード。そうそうこーゆーのが読みたかったんですよ私は。

服部半蔵 (CV:津田健次郎)

一番完成度の高いシナリオは、と問われれば半蔵ルートだと答える。月下丸、黒雪、蝶治郎は理由や自覚に差はあれどみんな最初から槐が好きだから惹かれ合っていく過程は割愛されるが、半蔵ルートはそこが短いながらもきちんと描写されている。更に槐も半蔵という最強の忍びを前に己の未熟を痛感し、忍びとしても人間としても著しい成長を遂げる。何よりこのルートの槐は敵に向き合ってちゃんと自分で殺す。覚悟を持って、ついには父親さえ手にかける。そこも含めて無理なく描かれているのがポイント高い。

それと戦闘描写も頑張っていたんじゃないでしょーか。特に甲賀忍戦。あっさりしているし理屈だのなんだのは無視されているしスピード感があるわけでもないけど、戦闘光景が頭の中で構築出来て、それがちゃんと戦いになっているのが良かった。

何より半蔵というキャラクタが魅力的で、それだけでも『百花百狼』をプレイした価値はあった。私はこの手の真っ当にかっこいいキャラはあまり興味ないんだけど、そんな私ですら半蔵はかっこいいなと思えた。でも、だからこそ私は半蔵ルートを絶賛できない。何故なら私は敵を容赦なく合理的に殺していく半蔵が好きだったから。これは乙女ゲーだから半蔵のようなキャラクタはやっぱり変わってしまうんだけど、そうして槐の影響を受けていく半蔵を見るのが、あーもーぶっちゃけていいか! 複雑で複雑で複雑で複雑で複雑でもーーー。槐といる時の半蔵よりも家康といる時の半蔵のほうが好きだったし、もっと言うと槐との恋物語より家康との主従の信頼の物語が読みたかった。乙女ゲーに何を求めてんだと言われれば何も返せないが、これが偽らざる本音。私が槐にあまり興味を持てなかったせいもある。このルートの槐は確かにしっかりした女の子になるが、元々個性の薄いところに強さだけが付加されたので、優等生になってしまったようで一番つまらなかった。他のルートの守られてばかりでうだうだしている槐も特に好きではないけど、そちらのほうが少なくても「物語の登場人物」として見ていて面白くはあったな。最終的に槐の実力が徳川忍組を越えてしまうのも萎えた。腑抜けた弱い槐では半蔵が好きになるはずがないし展開としてはわからなくもないんだけど、うーーーーーーーん……。

そんな私の我侭はさておいて、半蔵の終盤のデレは吹いた。あれは爆笑せざるを得なかった。デレる半蔵は見たくないな、とずっと思っていたけどあそこまで盛大にデレられるとそれも有りだなと思えたから逆に良かったのかもしれない。あと槐が半蔵の笑顔を見て半蔵への恋を自覚するシーンはとても好き。本当に綺麗な場面でぐっと来た。他にも前髪が降りると童顔に見えることを半蔵が気にしていたり(ここは立ち絵がわざわざ用意されているのも良かった)、槐が半蔵と共にいることは他の忍びに知られてはならず半蔵もそこには気を使っていたらしいのに蝶治郎や五右衛門にはあっさりバレていたこととか、そこかしこに半蔵の可愛さを堪能できる場面もあって美味しい。

それでも半蔵ルートを素直に賞賛できないのは後半に不満が多いからで、特に終盤、半蔵が家康に槐の殺害を命じられて以降の展開が雑なのが気になった。家康が突然後見人でもいいかな的なことを言い出したのも妙だしその理由も語られないし、何より「家康は後見人の椅子程度で満足してしまうような大名だったのか」と私が失望させられてしまった。ここは槐と半蔵の恋物語を盛り上げるために、家康が都合よく動かされてしまったように感じて萎えた。作者の操り糸が見えるだけならまだいいんだけど、それによって私の中で家康というキャラクタの価値が下がってしまったのが痛い。家康には「天下」に対して誰よりも貪欲であって欲しかったし簡単に妥協して欲しくなかった。好きなキャラクタだから尚更。そして家康の命に背いたことで自害しようとした半蔵が、槐と一緒に生きることを決めたのがあっさりだったのも落胆に拍車をかけた。自分が育てた少女に殺される、てのはありがちな展開だけど大好物だし、ここは BAD ED のほーが好きだなあ。

ぐだぐだ書いたけど、半蔵というキャラクタに出会えたこと自体は良かった。半蔵(と家康)が好きだからこそ文句が出てしまったんだけども……悩ましい。

石川五右衛門 (CV:緑川光)

五右衛門ルートは楽しかった。槐の笑顔が多いのが特徴で、他のルートでは槐の笑顔を見る機会が少ない分、五右衛門ルート独自の空気がより際立っていた。しかし風魔忍軍が出てきた時に風魔小太郎も出てくるのかな、とぼんやり考えてはいたけど、すでに「五郎さんだと思ったら石川五右衛門だった」という展開をやっている五右衛門がそうだとは思わなかったなあ。五右衛門が風魔忍軍に反応を示したあたりで気づいたけども。五右衛門が風魔小太郎で居続けていれば、半蔵と並んで最強の双璧になっていたのかな、と考えると燃える。実際、このルートでは珍しく戦闘で余裕のない半蔵が見れる。

不満もある。例えば茂吉は初登場から明らかに怪しかったのに、槐はともかく五右衛門まで疑いもしないのは不自然だったし、何度も小さな小屋というかお堂の背景を見せられて「またかよ!」と突っ込まざるを得なかったのも……いやこれは槐さんが攫われすぎていたせいか。壮絶な人生を送ってきているはずの五右衛門の過去もサラッと語られて終わったので、槐が何故そこまで五右衛門を支えようとするのかはよくわからなかった。それでもそんなことは瑣末なことだと言わんばかりの爽快なエンディングが良かった。五右衛門の策は読者の視点から見れば「何か意図があるんだろう」とは察しがつくが、槐の立場なら五右衛門を信じられなくなるのもわかる。仲間の死体のような冷たい体温に触れてしまえば動揺するのは当然だし、何より槐は茂吉に一度裏切られている。それでも五右衛門を恨めないあたりは茂吉を許した槐らしいというかなんというか。五右衛門はかつての自分を茂吉に重ねていたけど、槐も槐で裏切った茂吉に五右衛門を重ねていたのかな。ラストのルパンばりの展開には吹いたけど、最後は明るく楽しく派手に終わったのでプレイしていて気持ちが良かった。「終わりよければすべて良し」を体現したかのような、実に石川五右衛門に相応しいルートだったなあと。花火はいいもんですね。

山倉猿之介 (CV:大島崚) & 三雲伽羅 (CV:早見沙織)

テンプレカップル(未満)。お似合いなんじゃないでしょーか。私は元々はやみんの演技が好きなので、それを聞くのを楽しんでいた節がある。

霞 (CV:潘めぐみ)

見た目だけならこの子が一番好み。潘ちゃんも好きな声優なので美味しかった。

徳川家康 (CV:宮田幸季)

攻略出来ないが、恋愛が絡まないほうが輝くキャラクタだと思うのでこれでいいんじゃないですか。いいキャラしていただけに半蔵ルートでの都合のいい扱われ方が悲しかった。でもその半蔵ルート終盤で忍組筆頭を退いた半蔵にしっしっと手で追いやる場面がとても好き。家康らしいリアクションだし、二人の信頼の深さが感じられてニヤニヤした。