Antipyretic

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バカだけどチンチンしゃぶるのだけはじょうずなちーちゃん♡

頭の悪そうなタイトルにまず目を引かれ、更にロープラで褐色ギャルではましま氏原画のゲームが出ると聞いてすぐ購入を決意。この時点では「まあ安いし好きな原画家の絵でカジュアルにエロエロゲーを楽しめればいいかなー」程度にしか思っていなかったのに、絵やエロがいいのはもちろんだけどそれだけじゃなく、キャラクタも良かったしシナリオも面白かった。これは予想外。

まずこーちんとちーちゃんがすごくいい子で、それもあざとくなく自然。例えば作中でちーちゃんが公園で子供たちと遊んでいる時に、こーちんが真夏だから水分補給は必要だろうとちーちゃんと子供たちのために自販機でジュースを買う場面がある。これは確かにいい気配りだと思うけど、知らない人間から飲み物をもらうのは危険だよな、とも思っていたらすかさずちーちゃんが、こーちんは大丈夫だけど本当は知らない人からものをもらっちゃダメだよとフォローを入れてくれる。これは当たり前のことだけど、こうした当たり前がスルーされる作品は多いだけに小さなことながらも……というか小さなことだからこそ感動した。そして後半には、そんな二人が抱えている暗い気持ちも描写されるのがいい。完璧ないい子ではなくドロドロした嫌な気持ちもちゃんと抱えていて、でもそれを表に出そうとはしない努力をしているような当たり前のいい子たちなんだとわかる。

二人に好感を持てる要素は他にもある。補習常連のちーちゃんがこーちんに勉強を教えてもらう代わりにこーちんのちんこの面倒を見る話なので、てっきり勉強中にむらむら来てつい……みたいなシーンが一つはあるんじゃないか、とも考えてたけどそれも一切なかった。いつも勉強が終わってから行為に突入する。そうやって勉強とエロをきちんと分けているところも好印象。期末試験の後の打ち上げでも飲酒シーンが入ってもおかしくないのにこの二人は飲まないんよね。そこもきちんとしている。

そしてエロはちゃんとエロい。タイトルからも察せられるようにオーラルセックスがメインで本番は最後を除いてまったくない。でもその分フェラは毎回本気で、もう「快感を与えてあげる」レベルですらなく「絶頂で殺してやる!」的な迫力を感じる。そして本番がない分それ以外のプレイが多彩。壁穴フェラとかゲームでは初めて見ましたよ私。

絵ははましま氏目当てで買ったようなものなので文句なし。バキュームひょっとこフェラを毎回披露して口周りに陰毛を張り付けながら大量のザーメンを飲んで満足そうにゲップするちーちゃんがほんと可愛かった。表情がまたいいんだよなあ。ちーちゃんが素直に表情に出す子だから、はましまさんの描く表情の素晴らしさが出ていた。欲を言えばエロシーン以外の絵も欲しかったけど、抜きゲーだからしゃーなしか。ちーちゃんの立ち絵差分が多いのも嬉しい。でも夏の制服姿のちーちゃんが一番ちーちゃんらしくて好きかな。

文章は読みやすくエロはねちっこく、食事描写も多かった。でも一番楽しかったのはエロシーンではなく二人のやり取りで、テンポがいいからさくさく読めたし萌えた。とにかく二人が可愛らしくて、だから私にしては珍しくハッピーエンドが読みたいな、と思いながら読んだ。普段は歪な作品を好んで読むけど、こういう真っ当な話を楽しんで読めたのは本当に久しぶりで心地良かった。意外な展開はほとんどないけど、それでも伏線はきちんと張られているし面白く読めるし安定感がある。

いやでもすごくないかこれ。ロープラだから当然短い物語で、私はクリアするのに二週間かけてしまったけど早い人が一気に読めば一日か二日でクリアできるボリュームで、しかもシナリオはエロがメインだからこーちんとちーちゃんの単純なやり取りを入れられる量なんて限られてくる。なのに二人のキャラクタは把握できるし、如何にして惹かれ合っていったかもちゃんと納得できる。恋愛描写ってのは文章量も多少は必要なのかもしれないけど、これだけの量でもちゃんと書けるんだなあ……。この場合は終盤まで本番セックスがなかったことも功を奏したんだろうけど、抑えておくべき必要な場面のチョイスや心理描写、キャラクタの描き方、会話のテンポの良さなど作者のセンスと力量がものを言うのかな、ということを改めて実感させられた次第。面白かった。

しかしこんな美味しいゲームが2000円で買えるとは……。

室戸浩太

太っているオタク、というありがちな設定の主人公だけど、実は外見からは想像もできないようなハイスペックな子だった。学年首位をほぼ独走状態の学力に、体育の成績も満点を取れるくらいにスポーツでも活躍していて、たぷたぷの肉の下には筋肉があって今でもトレーニングをしている。コミュニケーション能力もある。更に言うと以前は痩せていて美男子でモテモテだった。そして血のつながらない義理の妹もいるあたりはまさにエロゲ(そしてやはり複雑な家庭環境の中で育っている)。いやこれはエロゲだけど義妹は攻略できないどころか登場すらしない。なんだこの豪華な設定。

でもこーちんの一番格好良いところは、ちーちゃんの小さな魅力をひとつひとつ全部掬いあげていくところ。ちーちゃんの些細な仕草や言葉の数々からいいところを見逃さず発見して、「ちーちゃんという女の子の魅力」として認識していく。それがこーちんと読者の中で降り積もっていく。恋をするって多分こういうことじゃないかな。この積み重ねがまた自然で、だからこそ画面の前の私も二人を素直に応援できた。

一番印象に残っているのはやっぱりクリスマスイブの公園でのシーン。彼氏は来ないとわかっているのにそれでも冬空の下で待ち続けるちーちゃんと、そんなちーちゃんが放っておけなくて公園まで来てしまったこーちん。そしてこーちんはちーちゃんの座っているベンチの隣のベンチに座る。これがとても良かった。ちーちゃんの隣じゃなくてちーちゃんの座っているベンチの隣、というこの絶妙な距離感。二人の関係、ちーちゃんの気持ち、ちーちゃんを気遣うこーちんの気持ち、それら全部が「こーちんが隣のベンチに座る」という一動作だけで表現されていてもう素晴らしいの一言。そこからの二人のやり取りも切なくて泣けた。この時の泣き笑いのちーちゃんの表情もいい。そしてその後のこーちんの部屋でのこーちんの、「自分が一番ちーちゃんを好きで一番笑顔にしてあげられるんだ!」って自信に満ち溢れた、スケベで、でも純真で情熱的な想いが伝わる告白がまた良かった。この二人からエロは切って離せないんだろうなあ。そこがまたいいんだよなあ。

椎名ちえり (CV:御苑生メイ)

エロ大好き褐色ギャルとかもう完璧だな! チュパ音もメイメイが演じているだけあってド安定。いや「チュパチュパ」なんて可愛らしいものじゃなかったけども。あと?喘ぎはやっぱり最高だなと再認識した。あれすっげ可愛いよね。エロシーンにおけるちーちゃんはどれも可愛かったけど、特に口の中に溜まった精液でブクブクうがいをするちーちゃんがブサ可愛くて好きだった。リスみたいに頬を膨らませて楽しそうに飲んでいるのがいい。あと素股の時の表情がエロティックで良かった。そしてちーちゃんは股をあっさり開きそうに見えて身持ちが固いけど、フェラやパイズリや素股はやらせてくれるという不思議な貞操観念を持っている子で、それは多分ちーちゃんが単純に気持ちいいことが大好きだからなんだろな。ちーちゃんはビッチだけど「ビッチ」と聞いて真っ先にイメージされるビッチ像とは少し違ってそこも可愛かった。

彼氏にこーちんとの関係について話してある、と言っていた時は驚いたけど、最後までプレイしてみるとちーちゃんの気持ちがわかる気がする。クボセンとの不倫関係が上手くいくはずがないことを悟っていたから、クボセンを嫉妬させたくて、つまり繋ぎ止めたくて必死だったのかなと。こーちんとのことを話したら嫉妬してすごいセックスしてくるんだよ、とか嬉しそうに話していたのが印象に残ってたんだけど、あれも父親への当てつけで援交をしていた時の心境に近いものだったのかもしれない。

余談だけど、「前がダメなら後ろはセーフだよね浮気じゃないよね」的な謎理論でアナルセックスを求めなかったこーちんと提案しなかったちーちゃんは偉い。エロゲでそういう展開ってほんっとおぉーーーに多くて、毎回「いや、そのりくつはおかしい」と突っ込んでたんだけど、そんなことはしようともしないこーちんとちーちゃんはそれだけでもう私にとって価値のある主人公とヒロインだった。マジで。